タコピーの原罪高校生編とは？しずかとまりなの“その後”に迫る

『タコピーの原罪』には、「高校生編」として知られる重要なエピソードが存在しますが、それはスピンオフではなく本編の後半で描かれる展開の一部です。

このエピソードでは、高校生となった“しずか”と“まりな”が再び登場し、小学生時代の因縁や罪、そして深く歪んだ関係性が明らかになります。

この記事では、そんなタコピーの原罪における“高校生編”の全容と、しずかとまりなの“その後”に迫る裏設定について詳しく解説します。

高校生編の正体は？スピンオフではなく本編の重要な一部

『タコピーの原罪』における“高校生編”は、外伝的なスピンオフではなく、物語後半に組み込まれた本編の中核的エピソードです。

2016年の小学生編を経て、2022年にタイムリープした世界で描かれるこの章では、しずかとまりなの成長した姿が描かれ、読者に深い余韻と考察の余地を残します。

2人の関係性や心の傷がどのように変化したのかが明らかになる重要なパートであり、作品全体のテーマにも直結しています。

2016年→2022年へ…タイムリープによる高校生時代の描写

物語の舞台は2016年の小学生編からスタートし、その後タコピーの「ハッピーカメラ」や「大ハッピー時計」によって2022年の世界へと時間が飛躍します。

高校生になったまりなは、東直樹と交際しながらも家庭内での問題を抱え続け、母親との衝突から母を殺害してしまうという衝撃的な展開へと至ります。

この時間軸では、タコピーが再び地球に降り立ち、高校生のしずか・まりな・直樹と再会しながら、彼らの“現在”を見つめ直すストーリーが展開されます。

スピンオフではないが、物語の核心を担う展開

一部の読者の間では“高校生編”と呼ばれていますが、これは独立したスピンオフ作品ではなく、原作漫画の終盤で描かれる正式な時間軸のひとつです。

特にまりなの罪と、そこから引き起こされるタコピーの自発的な記憶喪失という設定は、小学生編とは異なる視点で読者に“罪と赦し”のテーマを突きつけてきます。

本編として描かれることで、登場人物たちの未来、成長、そして過去の選択がどのような意味を持つのかが読者に問われる深い構成となっています。

高校生になったまりなの衝撃的な裏設定

小学生時代から家庭環境に問題を抱えていたまりなは、高校生になってもその闇を抱えたまま成長しています。

2022年の時間軸で登場するまりなは、表面上は明るく取り繕っているものの、心の奥底には取り返しのつかない過去と、許されざる罪を背負っています。

この章では、まりなが母親と繰り広げた壮絶なやり取りが描かれ、物語にさらなる衝撃をもたらします。

母親を殺害したまりな…その罪と向き合う心の闇

まりなは母親との口論の末、激情に駆られて母を殺害してしまいます。

その直後、「小4のときにしずかを殺しておけばよかった」とつぶやく場面は、まりなの心がいまだに過去に囚われていることを示しています。

かつてしずかをいじめ続けた少女が、自分自身の罪と向き合わされるこの展開は、読者に深い苦しみと問いを突きつけるのです。

タコピーの記憶喪失の真相は“あの事件”にあった

タコピーはこの殺人現場に立ち会っており、そのあまりの衝撃に、自ら記憶を消すことを選んだとされています。

これは、序盤の“ハッピー星の掟”による罰とは異なり、タコピー自身の意志による記憶喪失であるという点で非常に重要な意味を持ちます。

まりなの罪は、タコピーの在り方にも直接影響を及ぼすものであり、ここに“原罪”というタイトルの本質が浮かび上がるのです。

しずかとまりな、高校生になっても続く複雑な関係

小学生時代、いじめの加害者と被害者として対立していたしずかとまりな。

2022年の世界で高校生として再会した二人は、過去の因縁を抱えながらも、新たな関係性を築きはじめます。

しかしその関係は単なる和解ではなく、依存・執着・そして罪悪感が交錯する複雑で歪んだものです。

“しずまり”というファン用語に込められた異常な執着

ファンの間では、しずかとまりなの関係性を「しずまり」と呼ぶことがあります。

これは単なる友情やライバルではなく、お互いにとっての鏡のような存在であり、傷を共有しながらも理解し合うことを拒むような、ねじれた関係を象徴しています。

高校生になっても、まりなはしずかに対して複雑な感情を抱き続けており、それが時に攻撃的な言動として表出します。

いじめの記憶を超えて交錯する依存と憎悪

しずかもまた、まりなへの恐怖や嫌悪だけでなく、理解されたいという葛藤を抱えて生きています。

過去の事件が二人に深い影を落としながらも、どこかで“自分の苦しみを理解できるのは相手しかいない”という思いが交錯しているのです。

最終的に二人はわずかながら接点を持つようになりますが、それは決して“完全な和解”ではなく、共に背負った原罪の上に成り立つ脆い絆であることが印象づけられます。

タコピーの原罪高校生編としずか・まりなの“その後”まとめ

『タコピーの原罪』における高校生編は、単なる未来の描写ではなく、登場人物たちの「その後」を描く核心的なパートです。

しずかとまりなの家庭環境や心の傷は完全には癒えませんが、物語はそこに小さな希望と選択の余地を残しています。

この章では、読者に“赦しとは何か”“変わるとはどういうことか”というテーマを強く問いかけます。

高校生編は原作後半のカギを握る展開だった

高校生編で描かれた事件や心理描写は、原作の終盤においてキャラクターの変化を浮き彫りにする重要な役割を果たしています。

特に、まりなの母親殺害、タコピーの自発的記憶喪失、そしてしずかの心の変化は、作品全体のテーマである「罪と向き合うこと」「再生の可能性」を強調します。

これにより『タコピーの原罪』は単なる鬱展開ではなく、人間の再生と希望を描く物語として完結しているのです。

罪と赦し、そして未来へ…読後に残る重い余韻

しずかとまりなは、最終的に“完全な解決”を得ることはありませんが、お互いに少しだけ歩み寄り、友人関係のような関係を築きます。

タコピーがいなくなった世界でも、2人の中にはタコピーの記憶が“心象”として残っており、それが静かに物語の余韻として響きます。

ラストでは、原罪を背負いながらも生きることを選んだ2人が、どこかで“未来への希望”を見出しつつあることが示唆され、読者に深い印象を残します。